リマスタリング

Syrup16gのHell-seeを久しぶりに買った。リマスター盤です。
今回は原本のミックスをした売れっ子のエンジニア高山徹氏によるリマスタリングということで。
当時五十嵐氏が熱望してた人の手による再構築ということで、これが真のHell-seeなんじゃないかな。


中身はと言いますと、個人的な感想を言いますと「とてもくっきりしたな」と。
このアルバムは1500円15曲という破格で勝負に出た音楽史に残る一枚ですが、その破格ゆえの予算のなさなのか
急いで作ったからなのか、わざとなのか、その辺はわかりませんけど原本は凄くモコモコ音質なのが特徴なんですよね。
ベースが強めに出してあるから体感的にそう聴こえるのかもしれません。


そのHell-seeが今回、モコモコ感が消えてクリアな印象になりました。
モコモコ気味でいい味だしてるアルバムといえばミッシェルガンエレファントの「Chicken Zombies」や
GRAPEVINEの「イデアの水槽」なんかがありますが、Hell-seeもその雰囲気にモコモコが一役買ってる名盤です。
一つのいい特徴であるこもり気味の音をなくしたことは当然といえば当然ですが、不安要素の一つでした。


二周して思ったことは音の輪郭がはっきりしたこと、低音コーラスが強めに出てること、キメからの音の爆発がかっこよくなりすぎた。
あとはベースが全体的に引っ込んでドラムとギターが前に出てきた印象があります。
最近スピーカー取り替えたので前のHell-seeとの違いを確認するために原本を何度か聴きましたが、結構はっきりわかるほどの変化はあります。
好みの問題でしょうが、やっぱり原本のほうが慣れてしまっているせいか良く感じました。
特に「パレード」はドラムというか、打ち込みなのかな。音量があがったせいかよく聴こえて違う曲みたいです。
表題曲の「hell-see」は高山さんのマスタリングのほうが好きです。


昔はリマスターというものがただの音質向上だと思っていたのでパスしてたんですけど
自分でミックスとかするようになってから、エンジニアの重要性というのが身にしみて分かるようになって
今回初めて慣れ親しんだアルバムのリマスタリングを経験しましたが、やはり音楽というのは奥が深いですし
いいスタッフに恵まれることがよりいい音楽のためであるのは確かだなあなんて思いました。


アーティスト自体だけで音楽は動いてるわけではないのは勿論わかってましたが
特に今回のような録音物の場合、曲そのものを産み演奏するミュージシャンが居て
音を調理するエンジニアという方々の仕事もまたアートっぽい部分はあるなあとも感じました。
ライブするにもPAさんとか照明さんとか、CD売るにも会社の宣伝部の方々とか
そういうのが絡みあって一つのアルバムを支えてて〜、ってなかなか素敵だと思います。
まあこのリマスターは確実に正解です。前回のマスタリングも当然。


そういえばはなしかわりますが、BUMP OF CHICKENが12/15に新譜出すようですね。
前回(orbital period)が2007年末でしたっけ。となると通常通りのスパンでのリリースですか・・・w
なんだか短かったような気がするんだよなあ。ちなみにタイトルは「COSMONAUT」らしいです。宇宙飛行士ブームか藤原。
あと来月はミスチルも新譜出るんでしたっけ。今年はスピッツも出たし豊作ですね。


アルバムの発表、タイトルの公開、そのわくわく感が大好きです。
タイトルだけで昂れるのはいいことですよね。期待できる感覚がたまりません。
アダルトビデオのサンプルだけで抜ける、そういった感覚に近い・・・ようで近くないですね。
なんかいいたとえだと途中まで思いましたが書いてる中で
「アレはサンプルだけで満足して終わるから違うな・・・」と気づきました。


あ、きょうもバイトです。
台風とか大雪・雷雨等々の天災ってテンションあがるほうですけど、仕事の時には来ないでほしいですね!


HELL−SEE【reissue】Chicken Zombiesイデアの水槽orbital period